子どもの名前をつける

--- プログラムを使って、候補の抽出 ---

まず名前の音（読み）を決める

　子どもの名前は、その子が一生付き合っていくものですし、途中で変更できません。ですから、決める側としては、かなり悩みます。
　名前の決め方は色々あるでしょうが、私はまず読み（音）から決めています。そして、その読みの中で良い漢字を当てるという方法で命名しています。漢字には画数があり、姓名判断でよく使われます。名前の漢字の組み合わせは非常にたくさんあるので、どの漢字を割り当てればよいか、候補に抜けがないかなど色々気になります。

プログラムで名前を生成する

　例えば、「えり」という名前をつけるとしましょう。そのとき、「え」と「り」と読む漢字の候補を列挙します。これは漢字変換ソフトなどを使って、地道に探すしかありませんが、それ程大変な作業ではないはずです。
　「え」という漢字にたいして「絵得獲江」という４個の漢字を使うとします（本当はもっとたくさんあります）。これをプログラムで使うには、C言語では、「{"絵", "得", "獲", "江"}」というように、漢字を「""」で囲う必要があり、面倒です。Perlには、qw演算子があり、これを簡潔に「qw(絵得獲江)」と表すことができます。
　ここまでできれば後は、プログラムにするだけです。
@na_list = qw(絵 得 獲 江 枝 画 餌 柄 恵 依 会 重 娃 荏 衛 慧 ゑ 回 愛 衣 選 );
@na_list2 = qw(利 理 李 里 裡 離 裡 吏 痢 莉 璃 哩 浬 鯉 狸 履 梨 裏);

foreach $na1 (@na_list) {
    foreach $na2 (@na_list2) {
        print "五百蔵 $na1$na2\n";
    }
}
　実行結果の先頭部分を示します。
五百蔵 絵利
五百蔵 絵理
五百蔵 絵李
五百蔵 絵里
五百蔵 絵裡
五百蔵 絵離
五百蔵 絵裡
五百蔵 絵吏
五百蔵 絵痢
五百蔵 絵莉
　：　　：
　実行結果の全部は、ここに置きます。

　実際は「ゑ」の字を省いています m(_ _)m。

姓名判断する（seimei.el)

　姓名判断には色々な流儀があります。流儀にこだわりはないので、使いやすさに重点をおきました。著書「姓名判断入門　小島白楊ナツメ社」の姓名判断では結果が点数で出ます。プログラムも作成されています。（著作権などは、コメントに書かれていますので、そちらを参照にしてください。seimei.el）
　先ほどの自作プログラムで作った名前のリストを、seimei.elの入力として与えます。emacsを、フィルターとしてコマンドラインから動作させることもできますが、ここではエディタ上で実行します（どうせ一度だけのことですし）。　姓名判断の結果の先頭部分を示します。
***** 五百蔵 絵利 *****
総運 44画 総合  	 失意に打ちのめされる凶数
天運 25画 先祖運	 勝気に過ぎて損する半吉数
地運 19画 個性  	 未完の大器に終わる半吉数
人運 27画 社会性	 強情が不運を招く半吉数
外運 17画 環境運	 剛毅で気迫のある吉数
総運+人運 14.0  天運+地運+外運 15.1  得点 29.1
***** 五百蔵 絵理 *****
総運 48画 総合  	 才知と徳を備えた吉数
天運 25画 先祖運	 勝気に過ぎて損する半吉数
地運 23画 個性  	 朝日が昇る勢いの吉数
人運 27画 社会性	 強情が不運を招く半吉数
外運 21画 環境運	 独立と功名の吉数
総運+人運 39.6  天運+地運+外運 19.0  得点 58.6
***** 五百蔵 絵李 *****
総運 44画 総合  	 失意に打ちのめされる凶数
天運 25画 先祖運	 勝気に過ぎて損する半吉数
地運 19画 個性  	 未完の大器に終わる半吉数
人運 27画 社会性	 強情が不運を招く半吉数
外運 17画 環境運	 剛毅で気迫のある吉数
総運+人運 14.0  天運+地運+外運 15.1  得点 29.1
***** 五百蔵 絵里 *****
　      ：　　：
　姓名判断の結果の全部は、ここに置きます。

よい候補だけ抜き出す

　せっかく、プログラムで自動化しても、結果が多すぎては、人手での判断に困ります。単純に一番点数が良いものにするという分けにもいきませんし・・・

　そこで点数が80点以上のものに出力するようにフィルタープログラムを作ります。
while ( $na = <> ) {
      $sou = <>;
      $ten = <>;
      $chi = <>;
      $jin = <>;
      $gai = <>;
      $tokuten = <>;
      if ( (split(" ", $tokuten))[5] > 80 ) {
          print $na;
          print $sou;
          print $chi;
          print $jin;
          print $gai;
          print $tokuten;
      }
}
　このプログラムを実行すると、総合得点が80点より大きいものだけになります。実行結果は、ここに置きます。

　後は、この実行結果を見て、悩むだけです (^_^;。
実際のプログラム例として示しませんでしたが、第1子ではPerl、第2子ではRubyを使って、実際に命名しています。第２子でRubyにしたのは、Rubyでqw演算子を知ったからです(Perlにもあることを後に知りました）。

反省：今後のために

「ゑ」の字を省いたのは、姓名判断プログラムに画数が登録されていない字だったからです。登録するのは簡単です。

今回仮名で｢えり｣という名前にしました。私の好みですが、この姓名判断プログラムでは良い字を当てることができませんでした。原因としては幾つか考えられると思います。

漢字を出し切っていない。例えば「え」という字に「英」など。
名前を絞ってしまっている。通常は「えり」以外の候補も入れて考え、良い漢字が当てられないから止めるという選択肢もあるはずです。